ミステリと言う勿れ / 田村由美
7巻です( ˘ω˘)
6巻の後半ではガロくんのことが描かれていましたが、7巻ではどんな物語が展開するのでしょうか?
久能くんの幼少期についても、また少し分かるかもしれませんね
あらすじ(※ネタばれあり)
冒頭、何者かがキーボードで文字を打ち込む姿が…
殺されるのか?
やっぱり殺すしかないんだろうな
菊の花束を持って墓所へと向かう久能
その行く先には、大学教師の天達が墓掃除をしている
天達は久能の姿を認めると「毎年 命日を忘れないでくれてありがとう」と言い、「喜和 久能くんが来てくれたよ 君のお気に入りの 小さな整くんだ」と墓石に話し掛ける
そうして二人は並んで手を合わせる
墓参りの後、二人は甘味処に入る
そして雑談がてら、天達は久能にこの週末にアルバイトをしないかと持ち掛ける
友人の別荘に知り合いが集まって謎解きミステリー会を催すから、細々とした手伝いをしてほしいと
それに対して久能は快諾するが、天達は続けてこう言う
「それに ちょっと頼みたいこともあるんだ」
―そんな一方、世間ではストーカー殺人事件が続けざまに起きているようだった
雪の山道を友人の別荘へと車でと向かう天達と久能
車中、雑談を交わしながら、久能は天達に最近の自分の中で起こった心境の変化について話し出す
自分は今まで食事は割りカンが当たり前だと思っていたこと、しかしこの間の初詣で女性に奢りたいと思ったこと、そう思ったことにびっくりしたこと、そして自分にそんな部分があることにゾッとしたこと
それに対して天達は学者の論説を引用しながらも自分なりのアドバイスをする
「人に会い 人を知りなさい それは 自分を知る旅だよ」
やがて車は天達の友人の別荘へと到着する
それは蔦にびっしりと覆われた立派な邸宅だった
久能が建物や庭を眺めていると、元気に挨拶をしてくる一人の青年がいた
それは以前に久能がゼミで一緒になったことのある、相良レンという学生だった
彼も天達に頼まれて、久能と同じようにこの週末にアルバイトをしに来たらしい
明るく社交的な性格の相良に畳みかけるように話し掛けられ、圧倒され気味の久能
そして別荘にはまだ先客がいた
天達の友人の橘高と言う男
既に朝早くに到着していて、別荘の中の片づけなどをしていたらしい
手伝いのバイトに来た久能と相良にテキパキと指示を出していく
食料などを別荘内へと運び入れる一行だったが、そんな彼らに向かって階段上から誰かが声を掛けてくる
別荘の持ち主、蔦と言う男だ
ロックグラスを手にして、邸宅の主らしく悠然とした様子で振る舞っている
みんながコーヒーやお茶でくつろぎ始めたところで、また新たな来客が現れる
蔦が招待したという特別ゲストのデラとパンと名乗る二人の男
蔦がサイトで知り合ったらしい
「お仲間と楽しい会を開くと聞いて 混ぜてもらいに来ました」と言うデラ
それに対して蔦はこう答える
「そう この週末に開くのは 楽しい謎解きの会だ」
感想(※ネタばれあり)
『ミステリと言う勿れ』7巻
7巻では大学での恩師、天達先生に頼まれて雪山の別荘へと赴く久能くん
雪山の別荘…ということで、もう既にフラグが立っていますが、お察しの通り、過去に曰く付きの別荘です(´∀`;)
当然またしても事件に巻き込まれていく久能くんなわけですが、まあその事件の内容は読んでのお楽しみということで…
久能くんの過去について、この巻の中でもまた少し描かれています
冒頭でも触れられていますが、一人しゃがんで地面の蟻を見つめる幼少期の久能くんに声を掛けたのは、天達先生の恋人、喜和さんだったんですね
もしかして小学校の先生をしていたという三船のお母さん(4巻参照)なのかな?とも思っていたのですが…
しかし、久能くんと天達先生とは、そんな昔からの縁だったんですか(*‘o‘ *)
ところで今回の事件の内容は、人とは、人の本質とは何か…と考えさせられるものでもありました
人間性なんて、そこに置かれた環境次第で簡単に変わってしまうものなのか…という
いや、「簡単に」などと言ってはいけないのかな
人は背負うものの大きさで、羽を生やすことも、光を失うこともできる
理性や信念だけで自分を貫き通すことは、口で言うほど容易ではないだろう
本当のその人なんて、本人にも他人にもきっと分からないものなのだ
久能くんにもきっと、未だ出会ったことのない色々な自分自身がいるのだろう
そしてこれからも、たくさんの人との出会いを重ねて、自分を知る旅を続けて行くのでしょう(*˘ ∪˘*)