夏目アラタの結婚 3巻【あらすじ・感想】紙キレ一枚の結婚

乃木坂太郎
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夏目アラタの結婚 / 乃木坂太郎 3巻

アラタと真珠、お互いに思惑を秘めて探り合いを続ける二人ですが、しかし、やり取りをする中で次第に相手の素顔と本音を垣間見ることになります

そして、アラタは真珠が犯人だと確信しつつも、彼女を人間らしく立て直してあげたいと思い始めます

そんな中、弁護士の宮前は事件の新証人を見つけたと、嬉々としてアラタに報告しますが…

あらすじ(※ネタバレあり)

職場で桃と、真珠のことについて雑談を交わすアラタ

昨日の面会終わりに真珠から、以前に差し入れたブラについて、誰が選んだものなのかと聞かれたので、咄嗟に桃ちゃんだと嘘をついてしまったと告白する

「…殺した男の妹だって言えないっしょ?」「大丈夫だって!!フルネームとか教えてないし!!」と平謝りするアラタだったが、しかし桃は別のことについて考えていた

桃 (え― あたしも、今朝 ブラ差し入れちゃったよ?)

(ちっちゃなウソくらい、 ―いいよね?)そう考える桃だったが…

 

アラタは後日、周防の妹の沙菜に食事を奢る

先日、真珠から出された宿題―「24時間あったら何をするか」についての知恵を彼女に借りようと思ったのだ

知人・友人たちからのアドバイスも交えながら、色々とアイデアを出して話をする二人

 

一方、拘置所内で考え事をする真珠―

「…アラタを… 手助けしそうな、…若い女。」

 

朝、沙菜が出勤しようとすると、自宅の門前に男が立っている

身構える彼女に、男は名乗る

宮前 「―品川真珠さんから、手紙をあずかってきました! 弁護士の宮前光一と申します。」

沙菜 「手紙って… あの殺人鬼から…?」

謝罪など聞くつもりはない、と断る沙菜に対して、謝罪ではありません…と説明をする宮前

しかし聞く耳を持たない彼女に対して、「―では、一つだけ、真珠さんから伝言があります。」と、宮前は切り出す

宮前 「伝える相手は、『あなたと ―もう一人 アラタに自分の無実を証明できる人物が見つかった』…と。」

それを聞いた沙菜は「誰ですか…アラタって?」と、とぼけるが、しかし宮前は彼女のその発言を聞いて固まる

 

後日、弁護士事務所で宮前に会ったアラタは、真珠の裁判の日程が決まったことを告げられる

そして更に、真珠がアラタにはもう会わないと言っている旨を伝えられる

「―なんで?」そう聞くアラタに、宮前はこう答える

 

宮前 「アラタさん、真珠さんはあなたを― 「訴える」 ―そうです。」

感想(※ネタバレあり)

アラタからすれば、すっかり真珠の手先のようになっている宮前です
いや、アラタでなくてもこれはちょっと怖い:( ;´꒳`;):

まさか、真珠がアラタを結婚詐欺罪で訴えてこようとするとは(゜ロ゜;)

しかし宮前の援助があるとはいえ、拘置所内でのやり取りで得た限られた情報から知恵を巡らせ、じわじわとアラタの行く手を封じていく真珠は、やはりすごいというか何というか…

アラタから騙し合いを始めたとはいえ、少々気の毒な展開です…

とはいえ、後ほどアラタが婚姻届けの提出に踏み切ったきっかけは、「真珠はどうせ死刑になるし、元既婚者の肩書きがあれば周りからうるさく干渉されない!」というなかなかクズな理由ですが笑

しかし、踏ん切りをつけて真珠に会いに行ったアラタは、真珠の見せた意外な反応に調子を乱されます

そしてその場が穏やかな雰囲気になった…と思いきや、しかし今度はその後の真珠のメンヘラ発言にどん引きします

…2巻の中で真珠は、「ボクは、今までなんにも選べずに生きてきた…!!」「アラタの考える「本当のボク」なんて、どこにもいないのさ!」とアラタに感情をぶつけています

虐待やネグレクトを受けていた子供なら、「何でもあなたの望む通りのいい子になる、だから私を捨てないで―」そういった態度をとるのは不思議ではありません

ですが、あの真珠が、そんな従順で卑屈な態度を取るでしょうか…?

これは真珠の本心なのか、それともミスリードを狙った演技なのか…

アラタが婚姻届けを持ってきた時の、驚いた顔と綻んだ顔は本物だったと思うんですけどね…

 

やがて控訴審が始まりますが、一体どのような争いになることやら…(´^`;)

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