夏目アラタの結婚 4巻【あらすじ・感想】お互いの揺れる気持ち

乃木坂太郎
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夏目アラタの結婚 / 乃木坂太郎 4巻

4巻が発売されましたが、表紙の真珠が可愛らしいですね!

1~3巻まではどこか怪しげな表情で描かれていましたが、今巻では無邪気にはしゃいでいる姿です
アラタも「やれやれ…」って感じで、優しい表情で眺めてますし(๑´ω`๑)

1巻ではウェディングドレス、2巻では白無垢(お色直し?)、3巻ではブライダルカー(バイクだけど!)、4巻のこれは新婚旅行ですかね?
ちゃんと設定が進んでるんですね~

これは次の巻の表紙も楽しみですね(´艸`*)
そして最終巻ではどんな表紙になるのか…!?

 

さて、控訴審の際には一審の時とはうって変わって、可憐な容姿と服装で法廷に現れて周囲をざわつかせた真珠ですが、彼女の狙いは一体何なのか…

なぜ今回の裁判では積極的に戦う姿勢を見せてきたのでしょう?
やっぱりアラタを殺すために…?

あらすじ(※ネタバレあり)

真珠の連続殺人の動機を探ろうと、アラタは真珠が過去に入所していた養護施設を訪ねる

施設の園長は真珠を「誰ともうちとけない子でした」という

真珠の母親は案外マメに面会に来て、我が子の栄養状態を気にしてこっそりお金を渡していったが、しかしそれに嫉妬した園の他の子供たちから真珠はいじめられ、学校でもいじめの標的にされていたらしい

アラタは過去に自分のクラスにいたいじめられっ子と真珠とを重ね合わせる

(ガキの俺は、どうしてあんなに冷たかったんだろう…)(闘えない子もいるなんて、考えもしなかった。)と、そう想うアラタ

「そういえば、歌が上手だったわね、あの子。」と、園長が思い出して言う

球技大会で皆が出払っている日に、部屋でひとり上手に「赤とんぼ」を歌っていたと…

母親以外に誰か面会に来なかったかと聞くアラタに、園長は「―あの子はずっと一人でしたよ。」と答える

 

宮前は桃に、一審が始まる前に真珠が弁護士に「死刑になってもいいから早く起訴されたい」と、喋っていた話について相談する

真珠は真犯人を庇いたかったのではないか、それは彼女の父親ではないか…と、宮前は自分の推理を説明する

そして、「ぜひもう一度真珠さんに会って、真実を聞き出してほしい…!!」と桃に頼み込む

 

後日、アラタと鉢合わせしないタイミングを見計らって、真珠との面会を試みる桃

面会室で桃との再会に喜ぶ真珠に対して、桃は「…パール!結婚おめでとう!!」と彼女を祝福する

そして結婚式の話になり、真珠からの「ボクの友人席に座ってくれない?」というお願いに快諾する桃だったが、しかし探りを入れるために「…お父さんは、呼ばないのかナ―?」と質問すると、真珠の表情が一変する

(やっぱ地雷だった!!)と動揺する桃に、「何かさぐりに来た?」と問う真珠

駆け引きが苦手な桃は、「パールにウソはつけない…!!」と、実は真珠は父親の罪を被っているのではないか、という宮前の推理について話す

それを聞いた真珠は表情を歪め、顔を覆ってうずくまるが―…

感想(※ネタバレあり)

アラタは真珠の現在の人格形成に母親の虐待が影響しているのではないかと考えますが、しかしアラタの予想とは裏腹に、関係者から語られた母親の人物像は肩透かしなものでした

(アテが外れたか…?)と考えるアラタですが…

いやいやいやいや、でもあの百面相の真珠の母親ですよ?
彼らが語った姿が本当に彼女の素顔かどうかなんて、分からないじゃないですか!(`・Д・’;)

しかもやたらと栄養状態だけは気にしてカロリーの高いものを食べさせ太らせるなんて、「ヘンゼルとグレーテル」じゃあるまいし… 気味が悪いです

控訴審の中で真珠が明らかにしますが、母親の名前は「品川環」です
環と真珠、どちらも宝飾品の名前で繋がりを感じさせますが、「真珠」という名前は誰が付けたのでしょうか?
お母さん?それとも他の誰か―?

アラタとの面会の際に、真珠は母親への愛憎入り混じった気持ちを吐露します
真珠から見た彼女の母親とは、どんな人間だったのか…

しかし真珠はやはり、アラタの歯並びをよく注視してますね
容姿に関することなのでコンプレックスであっても不思議ではないですけど、でもぱっやりそこが彼女にとって何かしらのキーなんでしょうね

関係者の中では一番真珠の本心と素顔に肉薄しつつも、しかし客観的に真珠を観察しているアラタの心は揺れます

真珠の弱い部分を見て見捨てられなくなった人情なのですが、しかし真珠のほうも、アラタに秘密を知ってほしい気持ちと知られたくない気持ちの間で揺れます

ところで、控訴審では真珠がやる気を出したことや宮前の戦略により、傍聴席の空気が変わります

真珠の演技力があるとはいえ、外見ひとつだけでも心証はこうも変わるものなんですね…
現実世界の凶悪事件に関しても、「…でも犯人けっこうかわいい(かっこいい)よね!?」って不謹慎な発言をする人は結構いますし、まあ人の気持ちなんていい加減なものですよね( ˘•ω•˘ )

それに、死刑囚アイテムコレクターの藤田の言動を見ていると、どっちが塀の中の人間なんだか分かりませんし(`‐ω‐´)

傍聴人が真珠劇場に飲まれていっている一方で、しかし裁判官たちの見解は…?

裁判の行方は、そして二人の夫婦関係はどうなるのでしょうか…

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